ふるさと納税とは お礼の品一覧 使い道 ワンストップ特例制度 FAQ お問い合わせ

「十勝ハーブ牛」に込められた想い


2024/12/30

 上士幌町のふるさと納税でも大人気の「十勝ハーブ牛」を提供する「株式会社ノベルズ食品」。十勝ハーブ牛の特徴やこだわりを、生産している株式会社ノベルズの内間木さん、宮部さん、株式会社ノベルズ食品の西山さんに伺いました。

(左から宮部さん、西山さん、内間木さん)

――十勝ハーブ牛とは?

(内間木さん)黒毛和種のオスとホルスタインのメスを掛けあわせた交雑種で、一度お産したメス牛(一産牛)を、通常より長めの32ヵ月以上肥育しています。ハーブを与えて健康に育てた、赤身の旨味を重視した牛肉です。

――実際に牧場に足を運び、見学させていただきました。

(内間木さん)上士幌牧場では4つの肥育牛舎があり、1,000頭くらいの牛を肥育しています。出産を終えた牛は、乾乳期間を経て肥育用飼料を給与していきます。仕上がりに差がないように肥育過程で調整しますが、分娩時の状況がその後の成長にダイレクトに影響するため、分娩担当と肥育担当が連携して管理をしています。また牛同士が喧嘩をして肉に傷がつかないように除角したりします。

――牛舎にクラシック音楽を流しているんですね。

(内間木さん)牛が少しでもリラックスできるようにしています。


――ブランド牛の名前にも入っている「飼料にハーブを混ぜて育てる」という特徴ですが、どのような効果があるのでしょうか?

(西山さん)複数のハーブを飼料に混ぜることで、牛の消化力や免疫力が高まります。食欲増進や、消化促進、免疫機能を高めるなどの効果があり、薬に頼ることなく健康的に育てることができます。唐辛子などの香辛料は消化器系に良いため、タンやハラミ、ホルモンなど内臓系のお肉は特に高い評価をいただいています。

(内間木さん)栄養が偏らないように、あらかじめ一定の割合でハーブを均等にミックスした飼料を与えています。様々な飼料やハーブの配合を研究して試行錯誤を繰り返し、現在の形で定着しました。


――ノベルズのこだわり「長期肥育」と「一産取り肥育」について教えてください。

(内間木さん)交雑種の肥育期間は24~26ヵ月が一般的ですが、十勝ハーブ牛は32ヵ月以上の長期にわたって肥育しています。長期肥育により、肉本来の旨味や風味が増した美味しいお肉を届けたいという事業を開始した当初からの考えと、そこで課題となるコストの面をクリアするための答えが一産取り肥育でした。肥育期間中に、栄養バランスや飼育環境を調整しながら肉量や脂の質を向上させています。

十勝ハーブ牛は、肥育前に一度出産をします。通常よりも長く育てればその分コストがかかりますが、生まれてきた黒毛和種の子牛を販売することで飼料代などを賄い、長期肥育にコストをかけることができています。

また未経産の牛は胃づくりするための期間がありますが、十勝ハーブ牛は妊娠出産を経る中で牧草を食べる期間が長く、その間に胃づくりができています。肥育前にしっかりと土台が出来上がっているため、飼料をよく食べて健康的に育つことができます。

――ふるさと納税でも人気のコンビーフは、どのように製品化されたのでしょうか?


(西山さん)コンビーフに使用する部位は、スネとネックのみです。スネやネックは焼肉では食べにくいですが、煮込むとおいしい部位です。命をいただいている以上、少しでも無駄にせずどの部位も有効活用したいという考えから誕生しました。ふるさと納税でのお申込み数だけで累計20万缶を超えており、「コンビーフが苦手だけど、これはおいしく食べられる」といった声もいただいています。

――今後の新たな試みについて教えてください。


(西山さん)現在は企業にしか提供していないハラミとタンのセットを、ふるさと納税のお礼の品として追加しました。希少な国産の内臓肉でご好評いただいており、ぜひ味わっていただきたいです。

 また町民の皆様にも十勝ハーブ牛を召し上がっていただくために、町内の他事業者と一緒にお肉の販売会を企画しました。十勝ハーブ牛はシンガポールやタイ、ニューヨークなど海外への輸出もしています。「北海道産」というブランドと十勝ハーブ牛の味の確かさから、各地のレストランで食べられています。一方、道の駅など上士幌町内で食べられるお店はあるものの、業務用販売や通販しかしていないため町民に食べていただく機会が少ないのが現状です。町内や町外、国外を問わず、より多くの方に十勝ハーブ牛の魅力を発信していきます。