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「熱気球のまち」かみしほろ


2025/04/18

 「熱気球のまち」と呼ばれる上士幌町では、マンホールや街灯にも熱気球がデザインされています。熱気球が飛んでいる風景を自宅の窓から眺めることも珍しくありません。そんな上士幌町では、町認定こども園と小学校で卒園・卒業記念体験搭乗が毎年行われています。今回はこども園の「卒園記念体験搭乗」の様子を取材させていただきました。


 商工観光課職員やパイロットの資格を持つこども園の先生方が、朝8時頃から熱気球を立ち上げ、子どもたちを上空まで連れていきます。大きな熱気球の前で順番を待つ子どもたちの表情は、緊張と楽しみが混ざっているように感じられました。熱気球に搭乗した子どもたちは上空から手を振り、地上で見守る子どもたちもそれに応えるように「やっほ~!」と叫んでいました。乗り終えた子どもに感想を聞くと、「こわかった~!うるさかった~!」と満面の笑み。次の瞬間には「もう1回乗る!」と叫んでいました。先生に「明日も気球に乗れる?」と聞いている子もいて、思いきり楽しめたようです。


卒園記念体験搭乗の始まり

 上士幌町では熱気球のまちとしての普及推進を図るため、町が所有する熱気球の管理やバルーンフェスティバル開催等の事業に、ふるさと納税の寄付金を活用しています。 上士幌町の熱気球の歴史について、商工観光課の木田さんに話を伺いました。

—―恒例行事となっている卒園記念体験搭乗は、いつから始まったのでしょうか?

(木田さん)こども園での卒園記念体験搭乗は2016年度から始まりました。それ以前も閉校する学校に依頼されたときなど、度々行っていました。「卒業生を乗せてほしい」という依頼が徐々に増えていき、小学校に続きこども園でも毎年開催するようになりました。熱気球に乗ることで上士幌町をもっと好きになってほしい、次世代の熱気球ファンを増やしたいという思いで子どもたちを乗せています。


――木田さんは熱気球のパイロット資格を持っていると伺いましたが、どのような経緯で取得されたのでしょうか?

(木田さん)上士幌町では熱気球の文化を盛り上げるために、2016年度から6年間にわたり熱気球人材育成事業を行っていました。事業内容の一つにパイロットの育成支援があり、これにより15名のパイロットが誕生しています。私もそのうちの一人で、たまたま興味を持ち「やってみたい」と手を挙げたことがきっかけで、2018年1月にパイロットを取得しました。上士幌高校には全国の高校で2校しかない「熱気球部」もあります。毎年のイベントだけではなく、上士幌町には熱気球に触れる機会がたくさんあります。卒園・卒業記念体験搭乗を体験した子どもたちが、大人になって自分も操縦してみたいと思ってくれたら嬉しいです。

北海道バルーンフェスティバルについて

――上士幌町の熱気球の歴史について教えてください。

(木田さん)1974年に日本で初めて、全国の有志たちにより上士幌町で熱気球大会が開催されました。当時は1973年に発足した日本気球連盟が主催し、気球を上げたい5団体70名が機体を持参して参加しました。その後、「地元に住む人たちが自分たちで町を盛り上げたい」という思いが強くなり、大会運営を町民らで行うようになりました。現在は、熱気球関係者や町内のさまざまな機関、商工観光課職員などで構成されるバルーンフェスティバル組織委員会が、大会運営や人材育成などに取り組んでいます。


空を飛ぶ夢を叶える熱気球

――木田さんにとって熱気球の魅力とはどのようなものですか?

(木田さん)熱気球は、エンジンもハンドルもないまま生身で空を飛べる夢のようなものだと思います。飛行機とは違って窓の区切りもなく、地上からは絶対に見ることのできない絶景に出会えます。熱気球に乗って、ぜひ十勝平野の壮大な風景を堪能してほしいです。こんなに遮るものがない広大な大地が広がる景色は、本州ではなかなか見られません。 昨年は札幌の大学から熱気球体験搭乗の依頼があり、150人限定で募集したところ千人を超える応募がありました。上士幌町では当たり前に存在する身近なものですが、熱気球はそれだけ魅力的で夢のあるものだと思います。

 北海道バルーンフェスティバルでは、熱気球の魅力を最大限に発信したいという思いで毎年開催しています。競技としてはもちろん、一つのお祭りとして町民にも改めて魅力を感じ、愛着をもってもらえるよう町を盛り上げます。

北海道バルーンフェスティバル公式サイト